第13回 CAOS21 コース のご報告 2002年
期日:平成14年 8月1日(木)〜4日(日)
第1日目 8月1日(木)
東邦大学第2眼科主任教授の竹内忍先生の硝子体手術を見学させて頂きました。竹内教授はいうまでもなく日本の硝子体手術の第一人者としてその手術テクニックは高く評価され名声を博しておられます。
第2日目 8月2日(金)
まず午前は岡田眼科(横浜市港南区、院長、岡田栄一先生)を訪問させて頂きました。岡田眼科は延べ床面積800坪、めがね・コンタクト関係では業界ナンバーワンの施設をもち毎月のめがね売上げが6000本と凄まじい量で従業員は本院だけで約150名という桁外れの眼科です。
午後は屈折矯正手術施設として、横浜西区南青山アイクリニック横浜の主任執刀医荒井宏幸先生(クイーンズアイクリニック院長)の手術見学・両施設見学をさせて頂きました。
第3日目 8月3日(土)
最終日は白内障手術を中心とした施設として広島県福山市の三好眼科(院長三好輝行先生)で施設及びゼロタイムフェコを中心の白内障手術を見学させて頂きました。
三好眼科は10年前、第3回CAOSの会でもうかがっていますがその後増築され、手術内容も拡充されています。
第4日目 8月4日(日)
三好先生のご厚意で瀬戸内海のクルージングを楽しませて頂きました。
主催: CAOS21の会
代表 稲村幹夫
企画: 株式会社 ジャメックス 細川 保
平田 勲先生から追加のご報告を戴きました
第13回「CAOS21の会」参加印象記
<稲村眼科クリニック 稲村幹夫>
今年も真夏の年中行事になったCAOS21の季節がやってきた。今年のメニューは異色の岡田眼科が注目である。
<相模更正病院 松本 和子>
今年のCAOS21の会は、例年より早く8月1日から4日まで開催されました。
テーマは、<Ophthalmic Surgeonが21世紀を乗り切る方法を考える> です。
第1日目 東邦大学 佐倉病院


<稲村眼科クリニック 稲村幹夫>
東邦大学佐倉病院に硝子体手術見学
炎天下35度以上の酷暑の日であった。できれば東京であればもっとらくなところを佐倉まで出かけて竹内忍先生の硝子体手術を見学させていただいた。
硝子体手術に関しては東には右に出るものがいないであろうその人の手術である。見学させていただいたのは
1.黄班上膜剥離、2.黄班円孔の閉鎖不全例、3.増殖性糖尿病網膜症、4.網膜静脈分枝閉塞症の手術であった。
1,2は最近ではICG染色して処理するのが主流になりつつあり竹内先生はそれ以前の染色しない時代でも処理がお上手であったが最近では染色して行うことが増えたようであった。これは時代の流れというかやはり若い先生方にとっても教育的にも効果のある方法なのであろう。
3は最近では硝子体術者ならだれでも手がける手術になったが竹内先生は相変わらずたった2.3種類のマイクロ疳子や剪刀と竹内ピックのみのシンプルな道具立てで巧みに増殖膜を処理する。たいへん見ていて安全でいい方法だと再度感心した。これは言うは安くなかなかできるものではない。竹内先生の手術は一言で言えば「オーソドックスかつ確実」という表現があうだろうか。何気なく行っているようだが確実なのである。それは今まだ健在であった。
4番目の手術は私たちは始めてお目にかかったものであった。静脈閉塞していると思われる場所の血管鞘を開放するという手術であるがこれの効果の詳細についてはまだ何ともいえないとのことであった。孤独を感じると思われる手術であるがこれの新しい知見を早く聞きたいと思った。
実はそのあと急患の手術が入ったため竹内先生は銀座ホテル西洋で予定されていた手術検討会と晩餐会には出席されなかったため代役の八木先生にお話をうかがった。多くは硝子体のサージャンにとって有意義なお話が伺えたようだ。最後の席で竹内先生の生のお話が聞けなくて残念であったが百聞は一見にしかずこの日は久しぶりに安全確実な硝子体手術を再認識させてくれる手術見学であった。
<相模更正病院 松本 和子>
35度という亜熱帯地方さながらの酷暑の中出発し、"東邦佐倉といえば眼科ですね"というタクシーの運転手さんの話を聞きながら、私が参加して初めての大学病院見学目的地に着きました。
9時から竹内先生のオペはすでに始まっておりました。1例目の黄班上膜、2例目の黄班円孔、3例目の増殖糖尿病性網膜症、4例目の網膜静脈分枝閉塞症と手術は淡々とすすみました。
re-opを考えたポートの位置、有水晶体眼だと難しいと聞いている周辺部を、透明なレンズはなるべく残すということで丁寧に処理されている様子、還流液の工夫で出血を巧みにコントロールしていることなどいたるところに豊富な経験に裏打ちされた竹内先生のポリシーが感じられました。特に4例目のBRVOのオペは初めて見たせいか1時間経過してもまだ同じ所の処理の様に感じられ、9時から食事も取らないで6時過ぎまで(その後も急患が入りいつ終了したか不明)オペが続いていましたが、竹内先生の繊細さ、忍耐力、タフさに感動の1日でした。
第2日目 岡田眼科 クイーンズアイクリニック


<稲村眼科クリニック 稲村幹夫>
午前:横浜市の岡田眼科、午後:クイーンズアイクリニックとみなとみらいアイクリニック
岡田眼科見学、この項は私が企画者ですでに伺った経験があるが当日は都合により欠席したため他のドクターの感想を参照していただきたい。より客観的な意見が聞かれると思う。
午後の両クリニックはクイーンズタワービルの上と下の方の階にあり前者が通常の眼科を、後者が屈折矯正手術、主にLASIKを行う施設となっている。
前者が荒井宏幸先生のプライベートなクリニックであり後者は南青山アイクリニック(ビスクジャパン)の横浜支店となっている。南青山アイクリニックは日本を代表するLASIK施設であり国内最大規模である。その最大の支店が横浜である。荒井先生はそのリーダーでありお二人の後輩の先生がこれを助ける形だ。
みなとみらい地区は地価の高いところであり両施設ともコンパクトにまとまっている。LASIK施設の方はそれでも拡大して手術を行うのに十分な広さ空間が確保されていた。ビルで行う手術にはどうしても制約があるがうまくアレンジされている。窮屈さを感じさせないように工夫されている。
私も実は横浜にいて彼のライブは初めてであったが手術の内容はたいへん洗練されていて何も苦もなく手術が終わってしまってむしろ拍子抜けするくらいであった。現在の日本の最高レベルの手術がこれなのだ。これなら全く合併症は生じないであろうと思わせた。今やLASIKは完成度が高い手術と思える。ただしここで彼がやればではあろうが。術後のデスカッションでは10000例あまりのビスクグループの集計の話と屈折矯正手術後の白内障手術でのIOLの計算についての話があった。ちょうど私のクリニックでPRK術後の白内障の患者さんがいらして困っていたのでここで教えていただき参考になった。
懇親会では岡田先生も出席され盛り上がった。眼科でメガネを売る場合も兵法の理論で使っていかに戦略を練ったかどうしてここまでこれたかなどをお話された。これは実は一番面白かったかもしれない。岡田眼科で働く先生方のご意見が自分はここで働けて幸せだとの言葉が印象的であった。総じて楽しい会となった。
<相模更正病院 松本 和子>
港南台より岡田眼科に向かう途中まず目に入ったのはスーパーの駐車場のような巨大な駐車場でしたが、その後から驚きの連続でした。
1階の眼鏡、コンタクト店舗の規模の大きさ、目前の工場、2階の診察部門の賑わい、そしてもっとも興味深かったのは院長の岡田先生の講演でした。テーマは<眼科医から眼鏡やコンタクトの流通革命を捕らえたマネージメントのあり方>ということで、14年前に開業なさった時、将来の健康保険の行く末を鑑みて患者さんのターゲットを若く働いている世代と子供の世代に絞り、そのために人の集まってくるところを開業地に選び、日曜日の開業を実施し、屈折異常の子供に眼鏡やコンタクトを安く提供出来るように研修を受けて眼鏡を研究し、また安売りに対抗出来るように仕入れのノウハウを勉強し送料とパッキングのコストダウンをはかるために品物をトラックごと買いつけることにしたことや利益を上げるためマネージメントや労働法を徹底的に勉強したと言うお話は時間を忘れて聞き入ってしまいました。


<相模更正病院 松本 和子>
午後はクイーンズアイクリニックを訪ねました。
ここは30坪というコンパクトな中に手術室まで兼ね備えた効率の良い設計で横浜の高層ビルの中にある都会的なクリニックでした。
1階にある南青山アイクリニック横浜で荒井先生のLASIK手術を4件見学させていただきましたが、荒井先生の視線誘導の見事さのせいか4例の患者さんが、殆ど視線を動かさず,また荒井先生がフラップをスマートに扱って淡々と手術されているのが印象的でした。手術後窓から横浜港と観覧車を見て満足して帰られる患者さんの姿は都会のクリニックならではの光景だと思いました。
第3日目 三好眼科


<稲村眼科クリニック 稲村幹夫>
三好眼科
CAOS21で三好先生のところへお邪魔するのはCAOS第3回以来2回目であったが新しく大きくなっていた。毎日500人もの外来をいかに処理するか。どうしてその人気を博しそれを維持しているのかそのなぞの一部でも垣間見られればこのツアーはたいへん有意義なものであるはずだ。さてどうだったであったろうか。
まず一般に人気のある先生はタフであるが三好先生も例外ではない。そして三好先生の印象をひとことで述べると旺盛なサービス精神に尽きると思った。彼は人を心から歓待するそして骨身を惜しまない。これこそが彼を大成功させたのだと今回の訪問で確信した。
さて内容の方であるがもともとマジックが好きな先生だと知っていたが手術そのものもそうであった。次々と矢継ぎ早に難しい症例をこなす様はやはりマジシャンである。
今回のトピックスはソブリンホワイトスターと0タイムフェイコであろうか。ホワイトスターは超音波を発振せずに吸引してしまうことができるというのだ。なるほど少し軟らかい2度の核であればフェイコはいらないで手術をやって見せてくれた。これは拍子抜けというか何のためのフェイコマシンなのかとも思わせたがこれが最新で理想に近い手術なのであろうと思った。
手術のあとは三好先生の御講演と質疑があった。手術テクニックについての質問が次々とあがった。彼はそのそれぞれに的確明快な答えをもっていた。さすが百戦錬磨の貫禄であった。最後にはこれからの眼科を考えるということで私たちの苦手としているコストのことなどに触れた。粘弾性物質の仕入れ価格などを洗いなおせというお話はたいへんいいお話であった。明日の経営に役立つものだった。
さて会が終了してから夕暮れまで自らバスガイドと質疑の続きをしながら三好先生のご好意で船上の晩餐会へ招かれた。まず高級シャンパンで乾杯した。そして夕暮れとともに三好先生の愛船CSMOU号ともう一艘の船で尾道の花火見物に出かけた。海上花火見物はみんな初めての経験であった。花火の真下に近づいたときの迫力はすごいものがあった。皆のこころも解放的になった。
ただ私は船酔いで少し気分が悪くならなければもっとよかったのだがしかたない。翌日ももっともっと三好先生のサービスは続き参加者を無人島での楽しい昼食会に招待してくださったのだ。何と言う歓待であろうかこのサービス精神には頭が下がる思いであった。
<相模更正病院 松本 和子>
福山駅から程近い三好眼科の施設と10例の白内障手術を見学させていただきました。
21世紀を乗り切るsurgeonとして、USの欠点である摩擦熱による創口熱傷、核が舞うことによる内皮障害、破嚢などから脱するためというzero phaco time(超音波0)を見せていただきました。
まず感染症を1例も経験していないという三好先生の徹底した洗眼と、MQを使ったナースとの連携による究極のドレーピングに感動しているうちにzero phaco time が始まっていましたが、USをかけているのとまったく変わらない雰囲気であっというまに終わってしまったので最初はどの症例がzero phaco なのか気がつきませんでした。
症例はGIIまで、器械はソブリンのみという制限がありますが、三好先生の研究された設定で特に問題もなく、目に優しいという印象で、実際翌日患者さんを回診した先生方によると視力1.0、cell(−)ということでした。
夜は三好先生ご好意のバーベキューと尾道花火大会を堪能しました。
第4日目 無人島クルージング
<相模更正病院 松本 和子>
日頃の忙しさからしばし開放されて、三好先生の愛艇での無人島クルージングに参加させていただきました。真夏の太陽を浴び、青い瀬戸内海、上等なシャンパンとワイン、極上のお肉、とこれ以上の幸せはありませんでした。
<稲村眼科クリニック 稲村幹夫>
まとめ
今回のCAOS21では網膜硝子体手術、屈折矯正手術、白内障手術は言うまでもなく現時点の一流を見ることができた。どれひとつとってもすばらしい手術であった。施設もそれなりの内容を見せてくれた。それにも増して今回最大の見せ場はメガネの岡田眼科であったようだ。とにかく衝撃的であったとのコメントが多かった。これは今後もっともっと研究されていい分野だと思う。来年からもまたエキサイティングな会を企画して行きたいと思った。
<相模更正病院 松本 和子>
すべてがただ先を急いで時間のかかることは端折られているような現代において時間の流れが違うかのような竹内先生の緻密な手術、常に患者さんの側に立った三好先生の人間性が感じられる手術、荒井先生のスマートな手術、岡田先生の従来とは異なった観点からの眼科の捉え方など今回のCAOS21の会はこれからの我々眼科医のあり方を考えさせられる有意義な会でした。
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